消防士に学歴は必要か?《経験から解説》

学生
学生

消防士になりたい、消防の仕事に興味があるけれど…

転職考え中
転職考え中

消防士は大卒の人ばかりなの?

学生
学生

高卒で若いうちに消防士になった方がいいのかな?

転職考え中
転職考え中

高学歴の方が昇任に有利なの?

と想いや悩みを巡らせているのではないでしょうか?

この記事では、これらの想いや悩みを
『東京消防庁もとレスキュー隊長』の『バリー』が今までの経験から解説・アドバイスします。

最後まで読んでいただけたら、私の経験談から学歴の必要性がざっくり分かると思います。

ちなみに私は、

バリー
バリー

消防士は「やりがい」があって最高!

プライベートも充実させてくれて感謝!

って想っている幸せものです。

消防士になりたい興味がある方にとって、この記事が消防の世界に足を踏み入れる『きっかけ』になってもらえると嬉しいです。

私の場合、学歴に左右されなかった


私の経験談が参考になればと思い…

冒頭サラッと話します。

小学生の頃、消防士が災害現場で活躍している姿を見て、強烈に憧れました。

そんな訳で大学には進学せず消防士になり、苦節5年でレスキュー隊員になれました。

目標であったレスキュー隊長になり、幸福度MAX!

と言うのも束の間… 本庁に勤めることに

バリー
バリー

本庁は、消防署をまとめる組織で、災害対応が安全・スムーズに行えるよう活動ルールを決めたりします。

災害現場には、ほとんど行かず、デスクワーク中心の仕事になります。


組織から「階級を上げて幹部になっていきなさい」という考えがあったのでしょう。

私は、災害現場で人助けをしたい気持ちが強く…

結局、階級は上げずに消防署に戻りました。

ポンプ隊などの隊長職を続け、災害現場に立ち続けました。

という簡単な話になりましたが…

高卒Ⅲ類の19歳で消防士になった私が言いたいことは、「学歴によって待遇が左右されることはなかった。」ということです。

次からは、私の経験談を少し深掘りして、その理由を見ていきたいと思います。

バリー
バリー

学歴の必要性を語る上で、私の経験談だけでは材料が乏しいため、後輩の話もします。

後輩の話は、学歴(大学で学んだ知識)が役立って、階級が上がっていった内容になります。

消防学校では…みんな平等

私は、高校卒業後の19歳で東京消防庁に入りました。

採用区分はⅢ類です。

消防学校に入って驚きました。

てっきり私の様に高卒で10代の人や大卒で22歳の人が多いと思っていたら、様々な学歴職歴の人がいたのです。

高校卒業してから、アルバイトをしていた人。

短大を卒業してから、家業を手伝っていた人。

そして転職してきた人たち…

土木関係、医療機器メーカー、教員、看護士、自衛官、警察官、大阪の消防士。

40名のクラスで転職してきた人が7人いました。

そういう訳で、年齢層も様々です。

18歳から29歳までの人たち…

同じ消防学校・学生として消防士の基礎を学びます。

ただ、お互い年齢は意識していない感じでした。

もちろん、学歴や職歴も意識していませんでした。

同じ仲間として、同期生として、「厳しい訓練を一緒に乗り越えていこう。」とそんな雰囲気でした。

そして、消防学校を卒業して、消防署に巣立っていきました。

バリー
バリー

消防学校は学びの場であり、みんな平等でした。

ただ、給料は学歴、年齢、職歴により調整されます。

学歴がある人、年齢が高い人、職歴がある人は給料が高くなります。

消防士の給料について書いた記事がありますので、下にリンクを貼っておきますね。

消防士の給料・年収・ボーナス《勤務時間も解説》

消防署図鑑 [ 梅澤真一 ]

価格:4290円
(2024/12/22 18:47時点)
感想(0件)

22歳でレスキュー隊の研修に

消防学校では、同期とともに頑張ってきました。

ただ、消防署に配属される時に同期はいませんでした。

周りは、先輩と上司だけです。

優しい先輩もいましたが、厳しい先輩や上司がいました。

その中で仕事を覚えていきます。

仕事を覚える上で大切な事は、人間関係です。

この頃は私が一番後輩なので、謙虚な気持ちで一つ一つ仕事を覚えていきました。

そうすることで、上司や先輩たちも徐々に信頼感を持ってくれるようになりました。

こうなれると色々な情報を教えてくれます。

私は、レスキュー隊になりたいと公言していましたので、レスキュー隊を卒業した先輩たちが「体力作りのこと」「試験勉強のこと」を色々な角度から教えてくれました。

そのお陰もあり、レスキュー隊の試験に合格し、22歳でレスキュー隊の研修に行くことができました。

レスキュー隊になるということは…

災害現場で活動する時に中心的な立場になります。

中心的な立場というのは、頼られる存在であるということです。

組織的にも大切な存在です。

そのため、ほとんどの人が隊長職以上になっていきます。

隊長職は、階級で言うと消防司令補以上

レスキュー隊研修の同期は、ほとんどが消防司令補以上です。
(残念ながら、パワハラの問題で昇任しなかった人はいます。)



階級制度について、書いた記事がありますので下にリンクを貼っておきますね。

消防士の人間関係《階級や上下関係も解説》

レスキュー隊研修後の経歴をサラッと書きます。

・23歳 消防副士長に昇任

・24歳 レスキュー隊員に就任
   (苦節2年間の修行期間がありました。)

・29歳 消防士長に昇任

・34歳 消防司令補に昇任

・37歳 レスキュー隊長に就任

・39歳 本庁勤務に

※44歳から消防署に戻り災害現場に立ち続けた! 

このような経歴です。

昇任については、周りの人に比べて早かったと思います。

39歳で本庁に勤めるということは「この先管理職になっていきなさい。」と言われているのと同じです。

私が「消防署で災害現場に立ち続けたい!」と言わなければ、間違いなく昇任していたでしょう。

ここで言えることは、学歴に左右されることなく、昇任のチャンスは巡ってくるということです。

バリー
バリー

消防署に配属されて、学歴で待遇が左右されたことはありませんでしたよ。

最初はみんな、新任の消防士として働きます。

周りのサポートがとても大切です。

謙虚な気持ちで、人間関係を大事にしましょう。

働きながら夜間大学へ

余談ですが…

21歳から夜間の大学に通い、25歳で卒業しました。

晴れて大卒になったのですが、採用区分はⅢ類のままです。

採用区分をⅠ類に変更するための試験を受けたのですが、不合格でした。

バリー
バリー

東京消防庁では、採用区分を上位にするための試験が受けられます。

試験内容は、その年に行われる消防官採用試験と同じ内容です。

合格ラインも消防官採用試験の合格者と同じです。

この試験に合格すると基本給が数千円高くなります。

後輩は学歴を役立てた


後輩Tさんの話です。

大学で建築系の勉強をし、採用区分・専門系で消防士になりました。

消防学校を巣立ってからは、私と一緒で新任消防士として働きました。

Tさんは私より1年後に消防署にきましたので、後輩です。

ただTさんは、当時27歳で私より7歳ほど年上でした。

私は、Tさんを尊敬していました。

大学で学んだ建築系の知識を消防に活かしたいという志を持っていたからです。

Tさんの消防人生が動き出したのは、消防署に来てから4年後のこと。

本庁に勤めることになったのです。

本庁・予防課という部署に行きました。

建築系の知識を本庁・予防課という部署で役立てていったのです。

バリー
バリー

「予防課」という言葉が分からないですよね。

仕事内容について書いた記事がありますので、下のリンクを参考にしてください。

消防士になるためには?仕事内容は?どんな人に向いている?

もちろん、上司や同僚にも認められ、昇任していきます。

その後は、消防署に戻ったりしましたが、本庁に呼び戻され、更に昇任していきました。

バリー
バリー

採用区分が専門系だと、昇任試験(階級を上げる試験)を受けられるスパンが短くなります。

昇任試験に受かり易くなると言うことです。

このことについては、追々記事を書いていきますね。



私の記憶が曖昧ですが…

Tさんは、34歳で私と同じ「消防司令補」の階級になり、「消防司令」⇒「消防司令長」の階級になっていきました。

「消防司令長」は、事務系の役職で「課長」にあたりますので、一般の会社で言う「管理職」です。

このようにしてTさんは、大学で学んだ知識を消防に活かして、昇任していきました。

私とは、全く別世界の消防人生を歩んだのです。

まとめ


消防士に採用されたら全員が消防学校に行き、消防士としての基礎を学びます。

そこでは全員が学ぶ立場で、学歴は関係なく平等です。

消防学校を巣立って消防署に行ってからは、誰もが新任の消防士としてスタートします。

ここでも学歴に左右されることはないでしょう。

私の場合は、災害現場に立ち続け「人助け」をしたい気持ちが強かったです。

こういう考えの人は、ほとんど学歴は関係ないでしょう。

ただ、私の様に採用区分がⅢ類でも、昇任するチャンスは巡ってくると思います。

学歴に関係なく、管理職を目指せるでしょう。(高卒の人で管理職になっている人を山のように見てきました。)


また、後輩Tさんのように学歴を活かす道もあります。

大学で勉強した知識を消防に活かす

この志を持っていれば、周りからの評価もあがり、昇任はしやすくなるでしょう。

バリー
バリー

今回は、東京消防庁の話になりました。

東京消防庁では…

高卒でⅢ類採用の人も管理職を目指せます。

年齢を重ねて採用された人も災害現場で立ち続けることができます。

大学で学んだ知識を消防に活かしながら、本庁に勤めることもできます。

学歴に関係なく「自分が目指す道」に進むことができます。

ぜひぜひ消防の世界に!

2026年度版 東京消防庁 科目別・テーマ別過去問題集(消防官1類) [ TAC出版編集部 編 ]

価格:2530円
(2025/1/11 19:27時点)
感想(0件)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA