
消防士になりたい、消防の仕事に興味があるけれど…

消防士の一日の流れが知りたいな…

休憩時間はしっかり取れるのかな?

訓練や事務の時間はどうなってるの?

災害がなければ夜は寝られるの?
と想いや悩みを巡らせているのではないでしょうか?
この記事では、これらの想いや悩みを
『東京消防庁もとレスキュー隊長』の『バリー』が今までの経験から解説・アドバイスします。
最後まで読んでいただけたら、消防士の一日の流れがざっくり分かると思います。
ちなみに私は、

消防士は「やりがい」があって最高!
プライベートも充実させてくれて感謝!
って想っている幸せものです。
消防士になりたい、興味がある方にとって、この記事が消防の世界に足を踏み入れる『きっかけ』になってもらえると嬉しいです。

目次 非表示
24時間勤務は2日分の労働
消防学校を卒業した消防士のほとんどが、交替制勤務になります。
交替制勤務には2部制と3部制があり、都道府県(各自治体)により、どちらかの部制が採用されています。

交替制勤務について詳しく書いた記事がありますので、下にリンクを貼っておきますね。

いずれにしても消防士は24時間働くことになります。
ただ、常に24時間働いている訳ではありません。
休憩時間や仮眠時間は決められています。
この時間を差し引くと働く時間は、約16時間になります。
日勤の勤務は、8時間働くので、交替制の24時間勤務は、2日分働くということになります。

約16時間というのは、都道府県(各自治体)により、数分程度の時間差があるためです。
東京消防庁は15時間30分になります。
一日の流れ
東京消防庁の消防署を例にして、一日(24時間)の流れを見ていきましょう。


ざっくりとした一日の流れになります。
もう少し詳細に解説していきますね。
《もう少し詳細な24時間》
8時30分~
・24時間働いてきたグループと交替
・車両の走行・電気(ライト)機能を点検
・資器材の数があるか確認
・ミーティングで一日の流れを確認
・体操
9時00分~
・車両のポンプ機能の点検
・資器材の機能点検
9時30分~
・資器材の取扱い訓練
・ロープやはしごを使った部分的な訓練
10時30分~
・事務の上司から仕事内容を確認
・事務処理

事務処理の内容が気になる方は、詳しく書いた記事がありますので下にリンクを貼っておきますね。

12時00分~
昼食(休憩)
13時00分~
・ミーティングで午後の行動を確認
・体操
・体力トレーニング
・火災対応訓練の準備
14時00分~
・火災対応訓練
(30分の訓練を2回程度)
・訓練内容のミーティング
15時30分~
・事務処理
・夕食の準備
(食事当番がローテーションで回ってきます)
17時15分~
夕食(休憩)
18時00分~
・車両の電気(ライト)の点検
・示達〔読み=じたつ〕
(書類を確認したり、上司の話を聞いたりします)

示達が終わると少しリラックスした雰囲気になり、各々が自分のペースで仕事をしていきます。
19時00分~
・事務処理
・自主的な訓練・トレーニング

日中に行った訓練で不足していた技術を補うため、自主的に訓練をしたりします。
体力トレーニングをする人もいますよ。
・朝食の準備
(食事当番がローテーションで回ってきます)
・シャワー
22時20分~
仮眠時間

仮眠時間は、6時間40分と決められていますが、
この時間には、なかなか寝られないのが実情です。
各々0時過ぎくらいから仮眠をします。
2時00分~
通信勤務
《通信勤務の解説》
消防署は24時間体制で災害に備えます。
ただ、夜は仮眠をとらなくてはいけません。
「災害の連絡」が入った時に起きている人が必要になります。
この起きている人が、通信勤務員ということです。
通信勤務員は、「災害の連絡」を消防士たちに知らせ、早く部隊を出場させる役目があります。
通信勤務の時間は、日によって変わります。
この例では2時00分~となっていますが、消防士たちがローテーションで回して通信勤務に入ります。
そのため、日によって1時00分~、3時00分~、4時00分~になったりするのです。
深夜時間帯に1時間は通信勤務があると思ってください。
6時00分~
・起床
・清掃
(事務室、車両、トイレ、風呂などの清掃をします)
7時00分~
朝食(休憩)
7時30分~
・事務処理
・交替準備
(次に働くグループが出勤するので引き継いでいきます。)
8時30分~
交替
※ 8時40分までは、次に働くグループに引き継ぐ時間になっています。

どうでしょうか?
だいたいイメージできたでしょうか?
この24時間の一例は、災害出場が入っていません。
災害があれば最優先して対応するため、この一例のとおり進んではいきませんよ。
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冬時間
東京消防庁では、冬時間という勤務時間があります。
日の出と日没が遅くなる12月1日から3月31日までの期間は、仮眠する時間帯が変わるのです。
下の表は、冬時間の20時30分から翌日8時30分までの流れになります。
(8時30分~20時30分までの流れは、同じです。)


仮眠を始める時間が30分遅くなり、起床する時間が30分遅くなります。
冬時間でも仮眠時間は、6時間40分となります。
まとめ
消防署では、24時間災害に備えています。
消防士は24時間勤務と言われていますが、実質約16時間の勤務時間で、2日分働いているという考えになります。
実質約16時間になるのは、休憩時間や仮眠時間が差し引かれるためです。
東京消防庁の一例ですが、一日の流れが分かる表を作ってみました。
ただ、消防士は災害対応が第一優先です。災害があれば、全ての仕事を中断し出場することになります。
そのため、この一日の流れにならない日がほとんどです。
ある程度の流れがイメージできれば、幸いです。

消防士の勤務時間は長いですが、食事、休憩、シャワー、仮眠などの時間があります。
常に緊張している訳ではありません。
最初の頃は、なかなか慣れなくて大変だと思いますが、上司や仲間がしっかりフォローしてくれます。
体も24時間働くことに順応していくと思いますよ。
ぜひぜひ消防の世界に!
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